社会的責任が果たせる企業を目指して
株式会社 ゼロ・サム
常勤監査役 稲葉 光彦氏
社会的責任が果たせる企業を目指して
株式会社 ゼロ・サム
常勤監査役 稲葉 光彦氏
株式会社 ゼロ・サム 常勤監査役 稲葉 光彦氏 |
京都府宮津市出身 京都市在住 同志社大学 経済学部卒業 |
キャリアサマリー |
1965年 (株)京都銀行入行 1997年 TOWA(株) 入社 2009年 公益財団法人 京都高度技術研究所 入所 2012年 (株)ラプラスシステム 入社 2016年 (株)ゼロ・サム 入社 (現在に至る) |
株式会社 ゼロ・サム 常勤監査役 稲葉 光彦氏 |
京都府宮津市出身 京都市在住 同志社大学 経済学部卒業 |
キャリアサマリー |
1965年 (株)京都銀行入行 1997年 TOWA(株) 入社 2009年 公益財団法人 京都高度技術研究所 入所 2012年 (株)ラプラスシステム 入社 2016年 (株)ゼロ・サム 入社 (現在に至る) |
人生は筋書きのないドラマである
私の経歴を振り返ってみると、自分ながら道程の足跡が予想もしない結果となっていることに唖然としている。
大学を卒業して(株)京都銀行に入ったのは、自分の意思通り。32年間の間には色々な出来事があったものの、自分にとって満足のいくものであり、ハッピーエンドで飛び立つことができた。
これ以降は、予想すらしていなかった人生の道を歩むことになる。
銀行時代に株式上場に関わったTOWA(株)からお声がかかり、転職。ここでは自分を一からタタキ直させられた。大企業から中小企業(見る目、行動の違い)、金融業から半導体製造会社、ストックからフローのビジネス、地方銀行から世界に飛翔するグローバルな経営戦略、しかも成長期にあって大胆な行動、加えて景気変動の波の荒さに右往左往しながらの12年間であった。
退任する前2年間上場会社として常勤監査役を担当したが、監査役としての経験は、此処が出発点となっている。
あとは、お声がかりで3つの会社等を経験してきたが、将来性のある新進企業の発掘と支援、その中で上場を目指す企業2社とのお付き合いが始まり今日に至っている。
企業の社会的責任
株式上場を目指す企業としての自覚と対応
TOWA(株)は、銀行の資金証券営業部の時、株式上場を目指していて資本政策の面でのご相談に対応していたが、上場までには苦節の時期があった。
ご多分に漏れず半導体業界は景気循環のサイクルがあってそのブレも大きい。
その結果、上場計画も一時頓挫し、景気上昇局面で再度上場申請をした経緯にある。退任後、上場を目指す企業2社を担当することになったが、いずれも業績の面で課題を抱え、上場を目指してはいるものの上場するには至っていない。
上場するには、まず事業の柱がしっかりとしていて、成長ポテンシャルがあることが必要条件であろう。
企業の社会的責任とは一体どのようなものであろうか
(1)事業としての柱と成長するポテンシャルがあること
企業経営の存続は、利益体質にあり、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)が求められる。
株主は、企業の成長を期待するとともに配当、企業価値の中・長期的な上昇を求めている。
(2)社会的な責任が果たせる
上場すれば法的規制が大きく変わる。投資家保護の見地から社会的企業としての責任を果たすことが重要な責務となる。
(3)内部管理体制の確立
上場会社となれば、法令の適用範囲が大きく拡大する。
会社法関連法規のほかに金商法、取引所法をはじめリスク管理上の法令等の適用を受ける。
コーポレートガバナンス、内部統制、コンプライアンス等である。体制整備が求められる。
(4)関連会社を含めた連結会計と企業グループとしてのリスク管理
(5)企業が買収されるリスク(企業防衛策)
(6)株主からの代表者訴訟
(1)事業としての柱と成長するポテンシャルがあること
企業経営の存続は、利益体質にあり、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)が求められる。
株主は、企業の成長を期待するとともに配当、企業価値の中・長期的な上昇を求めている。
(2)社会的な責任が果たせる
上場すれば法的規制が大きく変わる。投資家保護の見地から社会的企業としての責任を果たすことが重要な責務となる。
(3)内部管理体制の確立
上場会社となれば、法令の適用範囲が大きく拡大する。
会社法関連法規のほかに金商法、取引所法をはじめリスク管理上の法令等の適用を受ける。
コーポレートガバナンス、内部統制、コンプライアンス等である。体制整備が求められる。
(4)関連会社を含めた連結会計と企業グループとしてのリスク管理
(5)企業が買収されるリスク(企業防衛策)
(6)株主からの代表者訴訟
監査役に就任したきっかけ
小職の場合、上場を目指す企業から監査役会等の設立、運営が必要となり、常勤監査役を求めていた。ご紹介を受け、監査役に就任した経緯にある。
新進企業を担当してみるとこれまでに未知で経験したことのないフィールドで面白い事業を展開しており、刺激一杯。わくわくした気持ちにさせられる。社員も若い。
一方、監査役は孤独であるが、拘束されるたり気を遣うことが少なく、自由度が一杯。やり甲斐のある仕事といえよう。
初めて監査役に就任した時に取り組んだこと
(1)監査役として何をしなければならないのか
概要は、理解していたが、実務は初めて。上場会社の監査役は既に路線が引けており、
それに従って進めて行けばよいが、新規に上場を目指す会社の場合は、一部の規程を除き一からの出発であった。
アプローチとして
①日本監査役協会への入会 新任監査役研修の受講。
監査役に対する研修のプログラムは良くできている。
②監査実務書
A.監査役としての心構え
「会社を良くする監査役―監査役の心構え」 笹尾慶蔵著(日本監査役協会元会長) 同文館出版
B.新任監査役実務要領
監査役監査実務入門、監査実務支援ツール 日本監査役協会
監査役実務入門 國吉信男、松永望、山崎滋共著 国元書房
③幹事証券会社による公開支援
小職の場合、上場を目指す企業二社とも野村證券の実務指導を受けた。
チェックが厳しい分身につく。
④意見交換
新任監査役にとっては、知らないことばかり。問合せ、確認をする相手がいない。
新任監査役の悩みであるが、人的ネットワーク作りはとても大切だ。
マルコ・ポーロ合同会社が主催するベンチャー監査役の会への参加、日本監査役協会への入会をお勧めする。
(2)規程の整備
①監査役会規程
②監査役監査基準
日本監査役協会のひな型を参考に監査役会で決議し、取締役会に報告。
(3)監査活動
監査計画、重点項目、実施項目、業務分担表の立案、決議
期中監査、事業所実査、期末監査は、監査活動を進める中で検討する。
監査報告書を提出し、一年が終わると季節要因が体得できる。
(1)監査役として何をしなければならないのか
概要は、理解していたが、実務は初めて。上場会社の監査役は既に路線が引けており、
それに従って進めて行けばよいが、新規に上場を目指す会社の場合は、一部の規程を除き一からの出発であった。
アプローチとして
①日本監査役協会への入会 新任監査役研修の受講。
監査役に対する研修のプログラムは良くできている。
②監査実務書
A.監査役としての心構え
「会社を良くする監査役―監査役の心構え」 笹尾慶蔵著(日本監査役協会元会長) 同文館出版
B.新任監査役実務要領
監査役監査実務入門、監査実務支援ツール 日本監査役協会
監査役実務入門 國吉信男、松永望、山崎滋共著 国元書房
③幹事証券会社による公開支援
小職の場合、上場を目指す企業二社とも野村證券の実務指導を受けた。
チェックが厳しい分身につく。
④意見交換
新任監査役にとっては、知らないことばかり。問合せ、確認をする相手がいない。
新任監査役の悩みであるが、人的ネットワーク作りはとても大切だ。
マルコ・ポーロ合同会社が主催するベンチャー監査役の会への参加、日本監査役協会への入会をお勧めする。
(2)規程の整備
①監査役会規程
②監査役監査基準
日本監査役協会のひな型を参考に監査役会で決議し、取締役会に報告。
(3)監査活動
監査計画、重点項目、実施項目、業務分担表の立案、決議
期中監査、事業所実査、期末監査は、監査活動を進める中で検討する。
監査報告書を提出し、一年が終わると季節要因が体得できる。
上場準備
(1)監査役としての上場準備
監査役としてのシステムとしての構築は、一年で完了。後は実績つくり。
法令、規則、規程の改訂がおこって来ればその都度対応すればよい。
執行部と情報交換しながら上場実務(財務報告に係る内部統制等)の進捗に併せて進めて行く。
(2)中間審査。最終審査、東証審査いずれも幹事証券と相談しながら進めて行くことになる。
(1)監査役としての上場準備
監査役としてのシステムとしての構築は、一年で完了。後は実績つくり。
法令、規則、規程の改訂がおこって来ればその都度対応すればよい。
執行部と情報交換しながら上場実務(財務報告に係る内部統制等)の進捗に併せて進めて行く。
(2)中間審査。最終審査、東証審査いずれも幹事証券と相談しながら進めて行くことになる。
常勤監査役としての心構え
(1)監査役会設置会社であるので常勤監査役が活動の主導的立場に立つ。
(2)監査役の監視する対象は、役員。とりわけ社長の行動をウオッチしていく事になる。
(3)役員とのコミュニケーションが図れる円滑さが求められる。
中小会社の場合、社長一存でことが決まる。
監査役は、企業法務、経営判断の視点から客観的に意見を表明すればよい。
また、内部統制に対する社長の考え方が大切。
内部統制の構築、運営の責務は、自分にあるとの認識を持っていただいておれば問題なし。
(4)管理部門の担当役員との関係
円滑に意見が言える関係の構築は、監査活動上大変重要である。
内部関係の要であり、監査活動を進める上で、とても重要である。
(5)内部監査との連携
監査実務を確認する立場。
(6)会計監査人(監査法人)との関係は、親密に。
三様監査が重要。
(1)監査役会設置会社であるので常勤監査役が活動の主導的立場に立つ。
(2)監査役の監視する対象は、役員。とりわけ社長の行動をウオッチしていく事になる。
(3)役員とのコミュニケーションが図れる円滑さが求められる。
中小会社の場合、社長一存でことが決まる。
監査役は、企業法務、経営判断の視点から客観的に意見を表明すればよい。
また、内部統制に対する社長の考え方が大切。内部統制の構築、運営の責務は、自分にあるとの認識を持っていただいておれば問題なし。
(4)管理部門の担当役員との関係
円滑に意見が言える関係の構築は、監査活動上大変重要である。
内部関係の要であり、監査活動を進める上で、とても重要である。
(5)内部監査との連携
監査実務を確認する立場。
(6)会計監査人(監査法人)との関係は、親密に。三様監査が重要。
監査役という仕事に初めて就かれた方へのアドバイス
日本監査役会の報告によれば、監査役に就任される方の経歴を見てみると、経理・管理経験者、営業経験者、その他(技術系等)が各々1/3のようだ。大半は、未経験者の集団である。
日本監査役協会の教育システムは、良くできている。1年たてば1人前の監査役が育つ仕組みとなっている。後は肉付け。参考文献にあたり、監査法人、主幹事証券、弁護士、監査役の仲間ら等の積み重ねで監査役の業務はこなせる。
責任は重いが、遣り甲斐のある仕事である。自由な時間を活用し自己修練に努めていただきたい。