IPO成功のカギは「ハンズオン型監査役」
企業の成長を多角的に支える価値創造の仕事
株式会社ジグザグ 常勤監査役
AI model株式会社 監査役
長山 元彦 氏

IPO成功のカギは「ハンズオン型監査役」
企業の成長を多角的に支える価値創造の仕事
株式会社ジグザグ 常勤監査役
AI model株式会社 監査役
長山 元彦 氏

略歴 |
2016年9月 株式会社スタジオアタオ入社(東証グロース)管理部マネージャー 2019年12月 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ入社(東証プライム) 総務労務部シニアマネージャー 2020年12月 株式会社ジグザグ 常勤監査役 2025年3月 同社 東証グロース市場(340A)に新規上場 2025年7月 AI model株式会社 監査役 |
監査役就任のきっかけ
当社のエンジェル投資家である方が、過去にIPOを達成した企業の社外取締役を務めていました。
その方が当社の社外取締役に就任する際、私の経験を買っていただき、常勤監査役としての役割を打診されたのです。
監査役としての経験
監査役としては初めての経験でしたが、以前に監査役会や監査等委員会での運用実務に携わった経験はありました。
とはいえ、実際に監査役を務めることは別次元の話です。そこで就任の話をいただいてから実際に就任するまでの間、監査役に関する書籍を徹底的に読み込み、必要な知識の習得に努めました。
監査役としてのスタンス、理想像
就任当初は試行錯誤の連続でした。常勤監査役の孤独感、取締役とのコミュニケーションの取り方、具体的な監査業務の進め方など、多くの課題がありました。そこで私は、過去のIPO経験と長年の管理部門での経験を活かした独自のスタイルを模索しました。
スタートアップやIPOを目指す企業には「未整備事項、未着手事項」が多く存在します。そのため、単なる監査目線だけではなく、会社の成長や内部管理体制の構築にアドバイスを行い、時には実務にも関わるという姿勢で臨みました。「ハンズオン型の監査役」が自分の理想です。
IPOを目指すうえで監査役として必要なこと
何より重要なのは、会社全体の「人・モノ・金」といった全体像を把握することです。これはガバナンスにつながる重要な要素だと考えています。
IPOにおいては、スケジュールを意識した監査計画と監査内容の立案が非常に重要です。特に「証券審査」「東証審査」の過程で監査役に対する質問や面談が必ず行われますので、常勤監査役として的確に回答できるよう、実効性のある監査とエビデンスの収集を日常的に行うことが肝要です。
初めて常勤監査役になる方へ
監査役の孤独は私も実感したことですが、決して焦らないでください。最初から監査業務に集中するのではなく、まずは代表者をはじめとする役職員とのコミュニケーションを構築することからスタートすべきだと思います。
特にスタートアップ企業では、忍耐力や胆力、長期的な視点が求められますが、その分やりがいも大きいものです。企業の成長を様々な角度から実感できる、非常に価値ある職務だと確信しています。