谷口登氏 監査役インタビュー

「社内外の情報共有でいい流れをつくる」

株式会社オーケーエム取締役 常勤監査等委員 谷口登 氏

株式会社オーケーエム 取締役 常勤監査等委員 谷口登氏

「社内外の情報共有でいい流れをつくる」

株式会社オーケーエム 取締役
常勤監査等委員 谷口登氏

株式会社オーケーエム 取締役 常勤監査等委員 谷口登氏
会社名:株式会社オーケーエム
常勤監査等委員 谷口 登氏
キャリアサマリー
2009年 当社システム部長
2017年 当社経営企画部長
2018年 当社内部監査室長
2020年 当社取締役(監査等委員) (現任)
社 是
1.独創的な技術
2.最高の品質 最低の資源消費
3.余裕ある生活と豊かな心
4.地域社会に貢献する

「社内外の情報共有でいい流れをつくる」

監査等委員選任の経緯

私は入社以来、当社のシステム構築に携わってきました。学生時代は情報システム関係とは無縁で専門知識はありませんでしたが、入社まもなく社長に社内業務全般のシステムを構築するように命じられました。

当時社内にはコンピュータやパソコンは一台もなく機器の導入からのスタートでしたが、専門書を参考に独学するとともに、近隣の大手企業や顧問税理士さんに助けられて何とか構築することができました。以来35年余り、社内の様々なシステム構築とサポートに継続して取り組んできました。

今回、私が常勤監査等委員に選任されたのは、長年システム構築に取り組む中で、製造販売会社である当社の見積業務から受注、生産、原価、財務、販売など業務全般を知り尽くしていたからに相違ありません。

しかしながら内部監査・監査等委員の経験は2年弱と乏しく、本会を通して会員の皆さまにご指導頂ければ幸いです。

監査等委員として上場への取組み

2020年6月に就任。2020年12月に東京証券取引所第2部に上場することが目標でした。

就任前は内部監査室にいましたので前任者とは常に情報共有しておりました。前任者の不慮の事故で急遽交代したこともあり、当初は証券会社の担当者から週1回の質問とヒアリングがあり、回答するとすぐに次の質問が来るという繰り返しでした。

社内全般の業務内容を熟知していたのに加え、社外の監査等委員の方にも助けられ、また執行役員以上の方とは常にコミュニケーションを取っていましたので苦痛は感じませんでしたが苦労はありました。当社には海外子会社がありますが、コロナ禍もあり子会社へ出向くことができなかったことです。結局、子会社とはリモートで情報共有するしかなく、意思疎通がうまくいかなかった部分もあり、証券会社から多くの詳細質問がありました。

調書類は証券会社の資料を参考に作成しました。6月に幹事証券会社と面談、10月に取引所上場審査部の面談、11月に上場審査部(常任理事)の面談を経て、11月に上場が承認されました。今思えば、主幹事証券の公開引受部とのやり取りの段階で企業の課題、問題点を洗いざらい抽出しておいたことで、その後の流れがスムーズになったと思います。

内部監査室との連携プレイによる未然防止

監査等委員の責任は、財務プロセスの整備および運用における取締役の執行を監視することにあると考えます。

加えて、社員の声に耳を傾けて様々なリスク回避に注力することも大事です。そのためには内部監査室の情報が欠かせません。内部監査室は社長直下の組織で情報量は膨大で、これらの情報は上場前も上場後も大変重要になります。

私は毎日のように内部監査室と情報交換を行い、些細なことでも真摯に受け止め未然防止を心がけるようにしています。上場を目指される本会の皆さまにも内部監査室との常なる連携をお勧め致します。

おわりに

東京証券取引所第2部(現:STANDARD)に上場して約2年半が経ちます。

目指している時は大変でしたが、上場後も課題に追われる毎日です。日々心がけているのは、常勤の私が社内情報を社外監査等委員へ橋渡しする「情報共有のパイプ役」となることです。

これにより、社内外の監査委員3名が同じ視点に立って議論できますので課題解決への近道になります。

最後になりますが、皆様方が本会員間の交流を通じて会社の発展に寄与されることを願っております。