株式会社 大都 応援メッセージ

悩める経営者のための羅針盤がここにある

株式会社 大都
代表取締役社長 山田 岳人 氏

株式会社 大都 代表取締役社長 山田 岳人 氏

悩める経営者のための羅針盤がここにある

株式会社 大都
代表取締役社長 山田 岳人 氏

株式会社 大都 代表取締役社長 山田 岳人 氏
インタビューイ:マルコ・ポーロ推薦人 山田 岳人氏プロフィール
1969年11月生まれ。石川県出身。
大学卒業後、リクルートに入社。6年間の人材採用の営業を経て1937年創業の総合金物工具商社、大都に入社。
2002年にEC事業を立ち上げる。2011年、代表取締役に就任。
2014年、リアル店舗「DIY FACTORY OSAKA」をオープン。
(社)日本DIY協会が認定する「DIYアドバイザー」の資格を持つ。

会社ウェブサイト:https://www.daitotools.com/about/

『悩める経営者のための羅針盤がここにある』
関西のベンチャー企業界を牽引する「Jack」がマルコ・ポーロを推す理由

「関西の起業家たちのよきサポーターでいてください。そして、そのエコシステムの核となっていただきたい」
株式会社 大都の社長「Jack」こと山田岳人氏が黒坂に贈る言葉だ。

関西のベンチャー企業界をリードする経営者Jackと、そのサポート役を担ってきた黒坂。
今回は、インタビュアーである私、横内が、その出会いから現在に至るまでのストーリーを皆様にお届けしたい。

DIYを日本の文化に

今回のお話の主人公であるJackと黒坂の出会いは、2014年。大都がオープンした体験型DIYショップ 「DIY FACTORY OSAKA」でのことだった。

黒坂はその日、親子づれでショップを訪れた。当時幼稚園児だった長男にDIYのワークショップを経験させたいと思ってのことだったそうだ。
完全なプライベートで、Jackのことは全く知らなかったという。

そこでは、Jackが若いスタッフたちと共に立ち働いていた。
社長が現場にいるのに、浮くこともなく、違和感のない和やかな雰囲気。
「素敵な会社だなあ」
それが黒坂の第一印象だった。

Jack が「Jack」になるまで

ところでJackは、なぜ「Jack」なのだろう。

大都はもともと金物問屋だった。今年で創業84年になる。
その大都を継承したのは、「娘と結婚するなら、会社を継いでほしい」という先代の願いに応えたからだ。

大学卒業後リクルートに入社し、その時点で6年間営業を担当していたが、いつか起業したいという希望をもっていたJackにとっても、それは悪い話ではなかった。

ところが、いざ継承してみると、事業は難航。
もともと自分で選んだ業種ではなかった。
「それが継承者のジレンマですね」

現状を突破するには、業態転換しかない。一から出直そうと覚悟を決めた。

DIYを主軸にして2002年にインターネット通信事業に参入。それが成功して、2007年に年商5億円、現在はEコマースだけで60億円を売り上げる企業に成長した。

そんなJackが「Jack」になったのは、今から10年ほど前の2011年のこと。
台湾の取引先を訪れたとき、現地の社員がイングリッシュネームで呼び合う文化に惹かれたのだという。
主な取引先が欧米なので、その方が便利で合理的だというのがその理由だった。

「うちもグローバル展開を目指していますし、フラットな組織にしたかったので、早速取り入れました」

現在、25名いる社員は全員イングリッシュネームを名乗っている。役職もない。
名刺交換のときには、大抵「えっ?!」と驚かれるが、社員間の距離感が縮まり、ミーティングでも対等に遠慮なく意見が言い合える。
「困るのは、本名が思い出せないことくらいかな」とJackは笑う。

ちなみに、IPO業界の重鎮、先般このコーナーにご登場いただいた村田氏とも、「Mark」「Jack」と呼び合う仲だ。
黒坂も近々「Marco」を名乗ろうかと思案中である。

カウンターカルチャーとしてのDIY

Jackは「DIYを日本の文化にする」ことを目指している。

DIYは「日曜大工」と訳されることが多いが、実は第二次世界大戦後のロンドンで叫ばれたスローガンである。

“Do it yourseif!” 「戦争で荒れ果てた町を、自分たちの手で取り戻そう!」
それは、思想であり、文化なのだ。

日本は「衣食」では世界の最先端を行っているのに、「住」だけが不自由だとJackは言う。
ライフステージによって家族の数もライフスタイルも変わるのに、住み替えもせず同じ家に住み続ける。
必要なものがあれば、買って済ませ、自ら手を入れることをしない。
暮らす場所のはずなのに、まるで寝に帰る場所になってしまっている。
そのことが残念でならない。

ところが、大都では2011年に売上が増えた。
Googleで“DIY”の検索回数を調べたところ、2000年から2013年までずっと右肩下がりだったものが、2014年に右肩上がりに転じ、2020年には爆発的に上昇した。

DIYはもともと復興の旗印だ。
東日本大震災やパンデミックに見舞われ、人々は復興に向けて動き出した。
自分たちでどうにかしなければならない。
自分たちの手で暮らしを取り戻さなければならない。
そういう意識が人々をDIYに向かわせたのだとJackは考える。

昨年は巣ごもり生活が続き、寝に帰る家が暮らす場所になった。
そのことが、人々の意識を劇的に変化させた。
自分たちの家を自分たちの手で創ろうとする意識が高まったのだ。

家を愛でて慈しみ、家族で家を創る。そういう文化を育てたい。ワークショップをやり続けていた理由もそこにある。
そういう家庭が増えていけばいくほど、社会の幸福度が増していくはずだ。

好転の兆しは見えるものの、日本のDIYはまだまだこれから。
「住」がなおざりにされている現状に対する、カウンターカルチャーとしてのDIY。
それが日本に根づくことをJackは目指している。

パブリックドメインのビジネスを目指して

Jackと黒坂が出会った日に、話を戻そう。
ちょうどその日、黒坂の定期入れには名刺が入っていた。ただそれだけの理由でJackに名刺を渡した。営業する気は全くなかった。
Jackもその時は「へえ、MUFG・・・信託の方なのか」と思っただけだったという。
しかし資金調達、とりわけエクイティファイナンスを考えていたJackにとって、黒坂とのこの出会いが運命になる。

株式会社 大都 応援メッセージ パブリックドメインのビジネスを目指して

初めてのファイナンス

実はちょうどその頃、Jackは東京にショップを出すことを考え、また新しい仕掛けを思い描いていた時だったそうだ。
そのためまとまった資金調達を考え具体的に話も進んでいたのだが、何をどうすれば良いのかわからない。
「その時、黒坂さんとの出会いを思い出したんです」

最初の出会いから、「特別ななにか」があったのだろう。
それは黒坂も同じで、いきなりの無茶振りにも笑顔で駆けつけ、状況を把握するとさっそく、二つ返事で仕事をはじめてしまう。
その内容は多岐にわたり、資本政策の考え方、メリットとデメリット、契約書の確認、種類株式の発行、ストックオプション導入のアドバイス・・・。
「あの頃はひと月に13回、株主総会を開いたんですが、その全てを黒坂さんに仕切っていただきました」

こうして、2015年6月、大都は初めてエクイティファイナンスに成功し、その資金でさまざまな事業展開に挑むことになる。
Jackは黒坂の仕事ぶりに、心から惚れ込んでしまった。

GreenSnap株式会社 100%子会社化

そんな2016年のある日、大都の未来を左右するM&Aの話が持ち込まれる。
対象は、自社の強みをブーストすることが確実なアプリを提供するGreenSnap。
だがGreenSnapは企業内の一事業部であり、素人がM&Aのスキームを描けるものではない。
是非とも実現したいが、どうアプローチしたものか・・・。

「もう、黒坂さんしかいないと思って、当時東京の本社にいらした黒坂さんを頼って上京し、ランチをしながら話を聞いていただきました」

担当でもない自分に、遠路を厭わずわざわざ相談に来てくれた。
「ありがたかったですね。感謝の気持ちが湧いてきました」
と黒坂は懐かしむ。

そして、
「Jackの事業や経営手腕にもふわさしく、将来性のある提案であり実現すべきだ」
と考え、GreenSnapを法人として切り出した上での株式交換を提案した。
するとJackも、「黒坂さんがいいというのなら、信じられる」と即断し2017年5月、GreenSnap株式会社の100%子会社化が実現してしまう。

未上場会社である大都が株式交換でM&Aを成立させるという、前代未聞の事業買収である。
このスキームは当時、関西のベンチャービジネス界で耳目を集めたそうだが、一義的にはもちろんJackの魅力がもたらしたものだろう。
しかしその裏には、黒子と言うには余りにも大きな、フィクサーともいうべき黒坂の影があった。
二人が成し遂げた大仕事としてぜひ、多くの人に知ってもらいたいと願っている。

なお後日談ではあるが、このM&Aは今日でも、大きな意味を持ち続けている。
「大都に利益をもたらすだけでなく、大都の社会貢献という意味でも大きな存在感を発揮しているんです」とJackは語る。
Jackが描き、黒坂がサポートした、まさに二人にとって思い出の”一里塚”だ。

株式会社 大都 応援メッセージ GreenSnap株式会社 100%子会社化

IPOを目指して

Jackはパブリックドメインのビジネスを目指している。
2024年に大都のIPOを実現させることが当面の目標だ。
この目標を達成するために、もちろん黒坂とタッグを組む。

Jackは関西のベンチャー企業界のリーダーシップをとっている。
ベンチャー企業の経営者たちはJackを尊敬し、憧れ、Jackのまわりに集まってくる。
中には個性が強く、やんちゃな経営者もいるが、そういう人たちも含めたコミュニティが成立し、その中心にJackの存在があるそうだ。

黒坂は経営者としてのJackを信頼し敬愛している。そして、これからも成長していく過程を共にし、ずっとよきパートナーでありたいと願っている。

Jackと黒坂は同じ船に乗り込み、航海を共にするクルーなのだろうと、今回のインタビューを通じて考えさせられた。
そしてその絆は、プロフェッショナルの関係らしくドライでありながら、時にウェットだ。

悩めるベンチャー企業経営者の羅針盤として

Jackはこれまで節目節目で黒坂に相談をもちかけ、アドバイスやサポートを求めてきた。
それはなぜだろうか。

最後にJackに、彼からみた黒坂について語って頂いた。

豊富な経験と人脈、知見、そして信頼感

経営者は孤独な存在である。
先行き不透明な状況下、十分なスキル・ナレッジを持ち合わせていないことでも、後戻りできない重要な決定を下し、その責任を背負わなければならない。

しかも、そうした悩みを相談できる人はなかなかいない。
ましてや自社の弱みを含んだ案件についての相談は、よほど信用がおける人にしかできないだろう。

そしてそんな相談相手として、Jackが黒坂を選んだのはなぜだろうか。

「一流の金融機関で長年培われた経験と人脈、知見は他に類を見ません。黒坂さんのような人は、少なくとも関西には一人もいません。必要なとき経験者を紹介していただいたり、有益なスキームを提供していただいたり、アドバイをいただいたり・・・、本当に心強い存在です」

それだけではない。誰にでもポジショントークはあるものだが、黒坂にはそれが全くないとJackは言う。
「前職のときから、たとえ所属する組織に不利益になったとしても、本質的な意味で正しい筋道かどうかを言ってくれる―黒坂さんはそういう人でした」

株式会社 大都 応援メッセージ 豊富な経験と人脈、知見、そして信頼感

ベンチャー企業のサポーターとして

そうした黒坂の在り方は信託銀行の一社員としての範をはるかに越えていたとJackは言う。
黒坂の独立を知っても、全く驚かなかったのはそのためだ。
「いよいよその時が来たか、と思っただけです」

Jackはこれまで多くの経営者を黒坂に紹介してきたが、必ず「黒坂さんを紹介してくれてありがたかった」と感謝される。

資本政策、資金調達においては、後戻りできないことが多く、きちんとした情報を基に正しい判断・選択をしないと、後で大変なことになる。

「黒坂さんは、いつも悩める経営者に寄り添い、その企業の利益になることを考えてアドバイスしてくださいます。ただし、戦略について、こうしろと言われたことは一度もありません。こういう方法はあるけれど、それを決めるのは経営者だ、というスタンスですね」

それはなぜだろう。
そこには、黒坂のこんな想いがある。

基本的に、経営者が知る必要のあることについてアドバイスし、サポートするのが自分の役割だ。
だが、オーナーが抱いている「ど真ん中」の想いは尊重したい。

証券会社や銀行はまず自分たちの利益を考えるため、さまざまな決断においても、そうしたバイアスがかかる。
したがって、その選択が企業にとってベストかどうかはわからない。

一方、自分は、会社の経営者や従業員がハッピーになるためにはどうすればいいかを考える。
その視座は経営者と同じだ。
同じ船に乗り、航海を共にし、同じゴールを目指しているのだから、よほどのことでもないかぎり口出しする必要などないのだ。

黒坂への期待と起業家の皆さんへのメッセージ

ここでは、Jackから、黒坂と起業家の皆さんに向けて応援メッセージを贈っていただこう。

黒坂さんには、関西の起業家のサポーターをお願いしたいと思います。最近、関西の起業家界隈は盛り上がってきていますが、業界独特のしがらみがあり、皆経験が足りません。
黒坂さんを中心にベンチャー企業のネットワークが拡がり、黒坂さんにはそのエコシステムの核となっていただきたいと願っています。

最後に、起業家の皆さんに一言。

経営者には不安なことがたくさんあります。契約書ひとつとってみても、専門性のある人でなければ見るべきポイントはわかりません。

でも、ここに、悩める経営者のための羅針盤があります。

困ったときにはマルコ・ポーロに相談なさってみてはいかがでしょうか。
きっと、孤独な経営者に寄り添いつつ、専門性の高いサービスを提供し、力になってくれるはずです。

私は黒坂さんに出会えて、本当に幸運でした。この経験を皆さんとシェアできることを願っています。

◆インタビュアー 横内美保子
博士。元大学教授。総合政策学部などで准教授、教授を歴任。
現在は、大学で留学生を対象とした日本語教育に携わるかたわら、日本語教材開発、日本語教師養成、外国人就労支援、リカレント教育に取り組む。
Webライターとしては、各種統計資料の分析などに基づき、主にエコロジー、ビジネス、社会問題に関連したテーマで執筆、関連企業に寄稿している。