パブリックゲート合同会社 応援メッセージ

パブリックに成長を目指すIPOコミュニティ

パブリックゲート合同会社
代表社員 村田雅幸 氏

パブリックゲート合同会社代表社員村田雅幸

パブリックに成長を目指すIPOコミュニティ

パブリックゲート合同会社
代表社員 村田雅幸 氏

パブリックゲート合同会社代表社員村田雅幸
インタビューイ:マルコ・ポーロ推薦人 村田雅幸氏プロフィール
PUBLIC GATE LLC.(設立2018年4月)設立者
会員制 上場専門プラットフォーム
● 1991年より、27年間、証券取引所に勤務。
2003年に執行役員に就任し、ナスダックジャパン市場の撤退からヘラクレス市場立ち上げの責任者を務める。
2006年からは、自主規制部門の新規上場審査と上場廃止審査の担当役員を務める。
2010年には、大阪証券取引所とジャスダック取引所の統合の責任者として、上場制度の設計や市場創設業務の陣頭指揮をとる。
2013年以降は、東京証券取引所の執行役員としてマザーズ市場などの上場推進業務に当たる。約500社のIPOの上場誘致や上場審査を経験。
2018年にパブリックに成長を目指す経営者とともに歩むパートナーとなることを目的に、PUBLIC GATE合同会社を設立。

会社ウェブサイト:https://publicgate.jp/

『目指すべきものはIPOの先にある』IPO業界の重鎮がマルコ・ポーロを推す理由

「その情熱とスピード感が命です。大いに暴れてください。
そして、共に手を携えて、ここ関西でIPOの気運を高めていきましょう!」

村田雅幸氏は穏やかな笑みを湛えながら、黒坂に餞の言葉を贈った。
それは、奇しくも、成長を目指すベンチャー企業への黒坂の思いとぴったり重なる。

日本のIPO業界を牽引する村田氏と、村田氏を尊敬してやまない黒坂。
IPOに特別な思いを抱く2人が、熱く語り合ったこととは?

村田雅幸氏が語る「ベンチャー企業をサポートする意味」

まず、村田氏にご自身の事業について語っていただこう。

起業家への尊敬の念

東京証券取引所の執行役員まで務めた氏が、要職を辞して創業されたのはなぜだろうか。

村田氏:それは、起業家への尊敬の念からです。
ゼロから事業を立ち上げるのは本当にすごいこと。裸で会社を立ち上げ、優れた製品やサービスを社会に提供し、多くの方々に喜ばれて支持される。しかも、企業が成長したら、社員を雇用してその家族も含めて大勢の生活を支える。会社の傘に守られて終える30年40年と、そういう一生とは雲泥の差だなあという思いが尊敬につながっています。

それにしても、投げうつものは大きい。迷いはなかったのだろうか。
「それは、悩みましたよ。悩みに悩みました」
だが、ベンチャー企業への溢れる情熱が村田氏を独立へと駆り立てた。

村田氏:確かに、前職でも、IPOを目指す経営者の方々のご相談を受けてはいましたが、公的な立場だったので、個別に踏み込んだアドバイスをすることは憚られました。固有名詞を出すのもタブー。また、相談する側からしても相手が取引所の役員であれば、込み入った相談はしづらいですよね。もっと経営者に寄り添う立場でともにIPOを実現したいと思い続けていました。

新たな会社が生まれることによって、社会の新陳代謝が活性化される。社会にインパクトを与えるのは、スタートアップやベンチャーのダイナミズムだと思います。べンチャーが走り出して成熟期を迎える。そんなところに関わり合いたいという気持ちがどんどん膨らんでいったんです。

ベンチャー企業のパートナーとして

そんな思いで設立したのが、 「パブリック・ゲート」、会員制のIPO専門プラットフォームである。月額費用を下げて会員ベース化し、「4年以内に上場しようとしている会社」という条件で参加を募る。

現在、入会している企業は30社あまり。その中から上場時期を迎えた会社の個別相談に応じ、その会社が上場を果たしたら、次の会社と契約を結んでまた上場を目指す。

村田氏にはこだわりがある。それは、自分が関わった会社の経営者に、上場してよかったと一生思い続けてほしいということだ。

村田氏:株主はファンクラブのようなものだと思うんです。例えば、ある化粧品を使ってみて、とても使い心地がよかったとする。すると、どこの会社が製造しているんだろう、どこの会社が売っているんだろうと思って、社会や産業に関心をもつ。その会社が上場していたら、じゃあ100株くらい買ってみようかな、というように。

一方では、デイトレーダーのように株価の変動だけをみる投資家もどきの人もいます。株主の中には心ある株主もいればそうではない投資家もいますが、それは社会の縮図です。

IPOしないと巡り合うことが出来なかった方々に株主として応援していただくという夢が、IPOにはあります。上場した会社は次第にパブリックになっていきますので、多くの会社に上場を目指してほしいですし、「上場って素晴らしい」ということを伝え続けていきたいと思います。

何よりも誠実であること

村田氏が支援する会社を選ぶ際の決め手は、創業者の人柄や情熱、そして企業理念である。

村田氏:大きな組織にいると、自分の価値観だけで判断するというわけにはいきませんが、今は自分の好みや直観で動いてもご迷惑をおかけしないので、ある意味、直観と偏見の塊かもしれません(笑)

村田氏のこうしたあり方は、黒坂の理想であり憧れだ。

黒坂:村田さんご自身が本当に誠実な方なんです。村田さんが支援していらっしゃる会社の経営者をみればそれがよくわかります。中には一見やんちゃっぽく見える人もいますが、本質的には皆さん素晴らしい方ばかりで、さすが村田さんがサポートしていらっしゃる会社の経営者だなあと感服しています。

「独立して成功する」というときの「成功」にはさまざまな意味合いがあります。例えば、儲かっているというのもその指標のひとつでしょう。でも、私が目指しているのは、自らも誠実であり、さらに誠実な経営者からも尊敬される、村田さんのような存在です。

村田も現在の生活に充足感を覚えているという。

村田:私が運営するIPOサロン「パブリックゲート」からIPOするのは、年間5社程度。数は少なくても、上場企業として発展していただくこと、それが僕のやりがいです。

やりたかったことができていますので、毎日とても充実感があります。もちろん、前の会社にいても学びが多かったとは思いますが、独立して後悔したことは一度もありません。

ベンチャー企業のIPO、そしてさらにその先へ

引き合うように出会っていた

村田氏と黒坂との出会いは、10年ほど前。
だが、2人とも、初めて会ったのがいつどこでだったのか定かではない。気がついたら親しくなっていた、そんな関係だ。
「そもそも立場的に、村田さんは僕からみたら、雲の上の人なんですよ」と黒坂は言う。
一方、村田氏の目には黒坂がユニークな存在と映ったようだ。

村田:大阪ってちょっとディープな街ですよね? 1人ひとりはオープンマインドだと思うんですが、コミュニティーが濃いので、東京の人からすると入りにくいところがあるんじゃないかと思うんです。

でも、黒坂さんにお会いしたときに、雰囲気も言葉もすっかり関西のコミュニティーになじんでいて、この人すごいなあと思いましたねえ。

金融機関はやはり東京が中心です。それで、大阪に赴任したらふつうなら3年我慢して早く東京に戻りたいというパターンなのに、むしろそういう出世コースを蹴ってまで大阪を選び、コミュニティーの深くにまで入りこんでいる。不思議な人です。

黒坂は東京生まれの東京育ち。大阪にやってきたのは33歳のときだ。だが、全く違和感なく、大阪にすっと溶け込めたと言う

黒坂:僕はここの人たちと一緒に仕事をするのが純粋に楽しいし、ここの人たちが上場するのをお手伝いしたいと心から思っています。

村田さんのことは以前から存じ上げてはいたんです。偉い方ですし、どんな方かなあと思っていたんですけど、お会いしてみたら、とても気さくな方で、色々な事を教えて頂き、沢山の経営者と出会う機会を提供して頂きました。

村田さんにはお世話になりっぱなしで、足を向けては寝られません。今では、間違いなく、村田門下生の一員です(笑)

溢れる「ベンチャー愛」

村田氏は黒坂の「ベンチャー愛」についてこう語る。

村田:黒坂さんはベンチャー企業やスタートアップが大好きなんだなあというのを、最初から感じていました。言動から伝わってくるんですよね。

四六時中、お客様のベンチャー企業のことを考えていらっしゃるのは、本当にすごいと思います。

黒坂:ベンチャー企業って、心をこめて伝えると、聞き入れてくれる。そして、それが会社全体に浸透していく。それは大企業では難しいことです。

僕も大企業育ちなんですが、法人取引であっても、個人と個人の心のやりとりを大切にしてきました。それが経営者に伝わって、会社全体の動きに反映されていくというのは、ベンチャー企業の魅力であり醍醐味ですね。

村田:黒坂さんがすごいと思うのは、行動力なんですね。好きだからできるっていうことなのかもしれませんが、こんなにスピード感が出せる人はなかなかいない。

ふつう無駄に躊躇してしまうこともあるように思うんですが、黒坂さんの運動量やスピード感は並外れています。そういうところがベンチャーの起業家とぴったり合うんでしょうね。

そんな黒坂だが、独立にあたっては、迷いに迷った。
人も羨む一流企業を飛び出すのである。
だが、溢れるベンチャーへの思いが、彼を突き動かしていた。
それは村田氏の価値観や生き方と驚くほど似ている。

黒坂は思う。自分は今、大海に漕ぎだした一隻の船であると。
ベンチャー企業も同じだ。起業し、IPOを目指し、さらなる成長のために数々の困難を乗り越えていく。

荒波に揉まれるベンチャー企業の舵となり羅針盤となりたい。彼らに寄り添い、伴走したい。

マルコ・ポーロという社名にはそんな思いが籠められている。

さらに、自分の活動が関西のベンチャー企業にどのような影響を与えていくのか、自分が社会に果たす役割は何かをきちんと認識し、マルコ・ポーロの残した地図が大航海時代の指針となったように、自分なりのやり方で社会貢献も果たしていきたい。

IPOを果たす会社の条件

「上場できる会社ってどんな会社でしょうか」
よく訊かれる質問だ。
黒坂が挙げる条件は、次の4点である。

1,変化を怖がらないこと。信念は大切だが、やっているうちに変わらなければならない局面に必ず遭遇する。そんな時、冷静に判断して自分自身を変えられる柔軟性が必要。これが一番難しい。
2,数字へのこだわり。やはり、数字は大切だ。数値目標は、こだわって立てるべきだし、一度立てた目標を達成することにこだわってほしい。
3,社員との一体感。ばらばらな会社では成果が出せない。特にベンチャーでは一体感が必要。一体感のつくり方は、各社各様で大丈夫。
4,最後まで諦めない。諦めたらそこで終わり。

もちろん、1~4の前提条件として、経営者が誠実であるということは必須だ。

黒坂:これからの経験で変わっていくかもしれませんが、今訊かれたらそう答えます。
村田さん、いかがでしょうか。

村田:全部、当てはまりますね。この4つに当てはまらないと成長も上場もできないと僕も思います。

黒坂は会社の組織作りも重要だと力説する。
スタ―トアップやベンチャーの創業者は新しいことに取り組んでいるため、毎日グルグルグルグルと歯車を回し続ける。
経営者が1人でやっているときにはそれでも構わないが、会社が成長するにつれ、関わる人数が増えていく。1人が2人になり、10人になり、100人になる。次第に従業員や顧客、そして社会に対する責任も重くなる。

創業の頃から経営者と一緒に馬車馬のように働いてくれた大切な社員も次第に歳を重ねていく。20年経てば、20代後半だった人は40代後半になるし、30代前半だった人は50代前半になる。それにつれて社員のライフステージも変化していき、自身や家族が病気になったり、親の介護が必要になったりするだろう。その時に、創業の頃と同様に馬車馬のように働かなければ生き残っていけない会社だったら、大切な社員を切り離さなければならなくなってしまう。そうしないためには売上や利益を出す会社にすることだけではなく、会社の組織も整備していく必要があるのだ。

黒坂:組織論をもっている会社は、上場して10年ぐらいたったとき、いい会社に成長しています。それは、従業員や社会に対する経営者の責任なんですが、そういう組織作りはIPOを目指す仕組みにそっくりなんですよ。組織として回っていくようにしなければIPOは果たせません。

村田:まさにおっしゃるとおりです。やはり仕組みで回っていかないと、成長は望めませんね。

黒坂:そういう面からもIPOは素晴らしい仕組みだと思っていますので、そういうところに共感していただける企業を支援していきたいと考えています。

では、組織を作っていく上での要はなんだろう。

黒坂:ズバリ、オーナーの価値観ですね。経営者の考え方が変わらなければ組織は変わりません。オーナーがIPOに真摯に向き合い、そこに意識を傾けることができるかどうかがポイントです。

究極的には、その組織に関わるものすべて、関わっている人全員―世の中、取引先、従業員とその家族までもがwin-win-winの関係であることを目指す。最初は利益を出すだけで精一杯であっても、途中からそういうところを目指していく。少なくとも僕が関わったベンチャー企業にはそうあってほしいと願っています。

将来展望

最後に、黒坂がこれから取り組みたいこと、村田氏が黒坂に期待することに耳を傾けてみよう。

黒坂:僕の専門は、資本政策、コーポレート・ガバナンス、会社法等の領域です。ただし、この領域だけにこだわるのではなく、資金力や情報力の乏しい地方のベンチャー企業が、成長し、社会に貢献していく仕組みであるベンチャーエコシステムの一翼を担うことにより、国が掲げる地方創生事業に貢献していけたらいいなと思っています。

村田:僕はベンチャーには勝機があると確信しています。確かに、ベンチャーは大企業に比べて人材も資金も限られています。でも、熱量とスピード、経営者の理念がベンチャーの強みです。

黒坂:人生や仕事にかける情熱がベンチャーは違います。また、大企業とは着眼点も違いますし、ベンチャー企業だからこそできる領域もあります。そういうところで奮闘しているベンチャー企業の力になりたいと願っています。

村田:黒坂さんには、一緒に関西のIPOの気運を高めていっていただきたいですね。

東京に追いつけ追い越せではないですが、関西からも、注目される企業や大企業の卵が生まれてくるといいですね。それは、地域のためでもあり、僕らのやりがいでもある。

頑張っているベンチャー企業に光が当たるような社会が望ましいですし、関西にはもっと活躍できる余地があると思っています。

黒坂さんや僕みたいな人間がもっともっと増えてきて、IPOに注目が集まるといいですね。

黒坂さんには、元気に走り回っていただき、関西のベンチャー企業を応援してほしいと思っています。何年後かわかりませんが、黒坂さんや僕が深く関わった上場会社が日本を代表するような成長企業になって、「あのときは・・・」なんて振り返りができたら楽しいですよね?

黒坂:本当にそう思います。

独立しても全部ひとりでやることはできないので、村田さんはじめ同じビジョンを抱いている方々のお力もお借りして、しっかりタッグを組んでやっていきたいと思います。

ベンチャー企業はすぐには結果が出ないので、支援した会社が花開くまでには少なくとも数年はかかりますが、日本を代表するベンチャー企業に成長したオーナー経営者と村田さんと私の3人で、いいお酒が飲めたらいいですね。

村田:決めたらもうやるだけです。黒坂さんらしく大いに暴れていただきたい。そうすれば、成功間違いなしです。

黒坂:どうもありがとうございます。

船は既に岸を離れた。
目指すべきはパートナー企業のIPO、そして、さらにそのもっと先である。