〈レポート〉スタートアップの企業価値向上へ!社団法人化後、初開催の『ないかんMeetup』

内部監査人の交流・情報共有を促進「ないかんMeetup」

〝日本初〟の一般社団法人に移行後、初の定例会を開催!

〈記事のポイント〉
スタートアップを中心にした「内部監査」関係者たちの交流や情報交換を促すのが目的の一般社団法人「ないかんMeetup(ミートアップ)」(代表理事・黒坂卓司、大阪府吹田市)は4月19日、法人に移行して初めての定例会を大阪・淀屋橋で開きました。

会場とビデオ会議に計約50人が参加し、自社のリスク管理や業務効率化を図る対策について意見交換。定例会終了後も話し合いが続いた参加者から、勉強会を企画する話が出る盛り上がりぶりでした。

当法人の調べでは、上記の目的の一般社団法人は日本初の設立。同様の立場の人でコミュニティーをつくる重要性が浮き彫りになっており、代表理事の黒坂卓司とファウンダー(創設者)の磯部武志は今後の発展に向けて決意を示しました。

次回は東京の会場とビデオ会議で開きます。法人化以前の任意団体時代も含め、定例会を大阪府外で開くのは初めてで、今後も積極的に〝挑戦する内部監査人〟の成長の場を拡充していきます。参加無料(詳細は記事の最後に記載しています)。

定例会の参加者たち

〝監視者〟ではなく〝仲間〟

「内部監査は、(社員の)〝敵〟ではなく〝仲間〟です」

定例会のあいさつで、ファウンダーの磯部はこう力を込めました。

経営層から選任され、従業員の仕事をチェックするのが内部監査の役割。時には「仕事の監視をしている」「重箱のすみをつついている」と批判される話を耳にしてきました。しかし狙いはそこではありません。

「本来の役割は、経営環境が変わっていく中でも事業をしっかりと運営していくための『会社の基盤』をつくる。そのためのポジションです」と続けた磯部。改めて同法人のミッションを示しました。
「内部監査を再定義していきます」

挨拶に臨んだ代表理事の黒坂(右端)と、ファウンダーの磯部(右から2人目)

参加者が「創り上げる」組織へ

「ないかんMeetup」は、大阪のスタートアップの社員・磯部の呼び掛けで、2021年4月から任意団体として活動を開始しました。

磯部は20年12月、社内に開設された内部監査室の責任者になったものの、前例がなく相談相手もいないため、手探りで取り組まざるを得ない状況。

特にスタートアップに所属する内部監査人の「横のつながり」の不足をはじめ、他社の事例や監査手法を知る機会が少ないのを痛感したのがきっかけでした。

同僚の伊賀光希と共に、偶数月の第3金曜日に定例会を開き、随時、各種勉強会などを展開。メール配信の登録者は約430人と大所帯になり、催しの述べ参加者数は800人余りに達しました。

高い反響があった点や、設立3年の節目に合わせ、24年3月に一般社団法人化。1社の社員が手掛けるのではなく、客観性▽独立性▽公共性▽守秘義務−が担保された組織にするのが狙いです。

代表理事として白羽の矢が立ったのは、関西周辺企業の株式公開(IPO)への関与率(2009〜24年)が約7割の一般社団法人ベンチャー監査役協会代表理事・黒坂。

「ないかんMeetup」を始める際にも協力していたのを背景に円滑な移行につながりました。

黒坂は、定例会の代表理事就任のあいさつで「参加者が中心となって運営していく組織にしていきます」と強調。「どんなことをやりたいか、どうやっていけばいいのか、皆さまの声で、私たちで、新しいものを創り上げていきたい」と呼び掛け、成果物の制作にも意欲を示しました。

今後の展開に向けて決意を示す黒坂(右から)、磯部、伊賀

二つのテーマでグループワーク、定例会後も活発に

この日の定例会では、新たに制作したロゴマーク(上記写真)を披露すると、二つのテーマでグループワークを実施。
一つ目は、新年度に入ったのを踏まえて「監査計画」をテーマに設定しました。

グループワークで活発に意見交換する参加者の皆さま

社内のリスク管理について、自身が設定した監査項目について「形式的にやるのではなく、経営層の理解を得て丁寧に取り組むのが重要」という指摘や、個人情報などのセキュリティー管理について学んだ参加者からは「自社のシステム監査への活用を考えたい」といった意見が出ていました。

二つ目のテーマは「内部監査の再定義にあたって、変えてもいい部分と変えてはいけない部分」。一般社団法人としての船出を記念し、改めて団体のミッションと向き合いました。

初めての参加者から「デジタル技術の活用による業務システムの効率化は変えてもいいところ。一方で社内規定に則って進める姿勢は変えてはならない」との報告があったほか、近年注目されている生成AI(人工知能)との向き合い方について議論する姿が見られました。

グループワークの成果を報告し合う皆さま

磯部による同法人の説明資料には、自宅で飼育するウサギ「てっく」ちゃんが登場して会場をほっこりさせる場面も。

最後の集合写真の撮影前には、「ないかんMeetup」のポーズを生成AIで作成したイラストを披露して注目が集まっていました。

定例会の終了後も、ビデオ会議上では引き続き意見交換が行われ、今後「AIと内部監査」をテーマにした勉強会を開く企画が立ち上がったり、会場の参加者の有志が食事会で交流を深め、今後のさらなる展開に向けて意欲を高めていました。

スライドに登場したウサギの「てっく」ちゃん(右)と生成AIで作成したイラスト(左)

参加者のコメント仲間づくりと成長の場に

株式会社プロディライト内部監査室の吉田圭子室長は、自社の上場に備えるため、「ないかんMeetup」の設立初期から参加してきました。

「上場についての情報を共有し、悩みを相談できる仲間がほしかったのです」と吉田室長。

定例会などを通して、上場後の内部監査室の担当者から上場審査について助言が得られるようになりました。

例えばその中で役立ったのが、社内の内部監査で指摘した点について改善されているか丁寧に確認する点。「指摘して終わりではなく、フォローアップが重要。改善しやすいよう助言するのが大切なのを学びました」とほほ笑みます。

結果的に円滑な上場につながりました。

吉田室長

一方、株式会社I-ne(アイエヌイー)内部監査室の木山卓也室長は、自社の上場後だったにもかかわらず、「ないかんMeetup」の設立当初から参加してきました。

ゼロから内部監査室を立ち上げた当事者として、同様の立場の人たちとの学び合いに関心があったといいます。

「上場がゴールではなく、さらにレベルアップしていかなければならないと思っていました。新しい挑戦をしようとする企業の取り組みは創造的な視点があり、例えば商品開発に関する内部監査の規定を考える際にも参考になるところがあります」と笑顔。

一方、上場した企業の取り組みは、準備中の企業にとって「モデルケース」。自身の経験を紹介する時もあり、「人に教えるのは、自分の学びを深めるのにも役立ちます」と謙虚な姿勢を示していました。

上場後の担当者にとっても成長の場として機能しています。

木山室長

次回の舞台は東京へ

定例会の終わりには、伊賀がフェイスブックでのコミュニティーも悩みが相談できる場となっている点を説明。磯部は、次回の定例会を東京の会場とビデオ会議で実施すると発表しました。

これまで「出張」形式による大阪府外の交流会は開いてきたものの、定例会を府外で実施するのは初めての試み。

今後も「内部監査の再定義」を掲げ、〝挑戦する内部監査人〟の成長の場を積極的に拡充していく方針です。

〈次回の定例会は以下の通りです〉

第19回(法人化後、2回目の実施)ないかんMeetup(内部監査室の会)

日時:2024年6月21日16:30〜18:00
参加方法:会場・アビタス 新宿本校(東京)(住所・ 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー15階)または、ビデオ会議システム「zoom」のハイブリッド開催
参加費用:無料


目的:企業価値に貢献する内部監査室の在り方を検討する
   横のつながりの不足を解消し、他社事例、監査手法を知る
内容:講演とグループワーク


登壇者:浦田 信之 様 (公認会計士、公認内部監査人)
ゲスト紹介:1999年 朝日監査法人入所、2013年 住友スリーエム(現スリーエムジャパン)常勤監査役。その後、資生堂、電通の内部監査部門を経て2023年独立、上場企業の内部監査支援等に従事。

morningstarのハンドルネームでSNS発信を行っており、noteでは内部監査についての知見を示した記事を公開中。
X: @morningstar0212
note:note.com/morningstar0212

申し込み方法:申し込みフォーム(下記URL)よりお願いします

• 第19回 ないかんMeetup(6/21)
[URL] https://forms.gle/HJPoxkh9vFkDHZQ37

問い合わせ先:ないかんMeetup事務局・伊賀 iga@naikan-mup.com